ぴあのらま

8月12日 午前中のこと。

8月12日 金曜日

 主人が出社してからしばらくして、私の携帯に電話が入る。
 6時半過ぎ。ドクターからである。

 主人に宛てたメール。
 6:45 先生から電話。状態良くないそうです。少ししたら行って来る。

 病院に着くと、待ってたようにドクターがドアをあけてくれた。
 入院の時のケージ(後で思い出したが、もこなが入っていた場所と一緒だった。)にぴあのはいた。
 四肢を投げ出し、痙攣していた。
 声をかけると少しは反応するのだけど、意識は朦朧としているようだった。
 ケージのドアをあけてくれたので、ドクターと話している間、ずっと頭を撫でていた。
 ぴあのの前足は、点滴するようにとプードルカットになっていたけど、
 点滴が出来ないのでそのままになっている。
 皮下点滴はした後で、ドクターは1本注射をうった。
 
 もし望みがないなら、うちで看取りたいし、家に連れて帰ってあげたいと逡巡したが、
 ドクターが全然望みがないわけではないです。少しでも皮下点滴が効いてくれれば…。
 とおっしゃったのと、点滴をする方が、本人が少しは楽なはずだというのは前のもこなのときにわかっていたし、
 連れ帰るだけで体力を失ってしまうであることはひと目見てもあきらかだった。
 まさかそのまますぐ、もっと状態が悪くなるなんて思いもしなくて
 いや、思ったかもしれないけれど、それを信じたくなくて、
 自宅で待機するべく、私は一度帰宅した。
 
 凄く疲れを覚えて横になって主人にメールした。
 同じ内容のメールをちゅうさんにも送った。
 
 今日一日もたない気がします。
 連れて帰ろうかと迷ったけれど、本人は意識混濁になっていて痛みは感じてないそう。
 先生が望みはないわけではないとおっしゃるので急変したらすぐ連絡してもらうようお願いして帰ってきました。
 脳に毒素が回っているだろうと。
 何がキッカケかわからないけども、急に毒素が体に回ったのではないかということです。
 先生から連絡だければ、午後又行って来る。
 様子によっては手立てがなくなるようなら、連れて帰ります。


 これが、7:46
 この時点では、私はまだその日1日くらいは持ち直してくれるのでは、と期待していた。
 そして、主人から何かあったらメールするようにとの返信が来て
 それにわかった、という返信を送った8:01調度に携帯に電話。
 そして「もしもし」と言ったとたんに、くそったれソフバのアホアイホンがブラックアウトする。
 災害時に使えんな、ソフバ!!
 即座にアイホンを放り出して、家電から獣医さんに電話。
 ドクターが、もうほぼ心臓停止してるとのこと。

 2分で獣医さんに着いたと思う。
 処置室にいたぴあのは、呼吸器を咥え、四肢を投げ出したあの格好で 
 目を見開いていたが、あきらかにその目はもう何も写している感じではなかったと思う。
 人間と同じ、人工呼吸器のパネルの数字が点滅し、レッドゾーンになると
 耳障りな音をたてるのも同じ。
 母の亡くなったときと同じ。
 何度もレッドゾーンになり、上がり下がりしながら、段々0になる回数が増えて
 ずうっとピーという音が連続するのだ。
 
 それでも、ぴあちゃん、と声をかけると数値が上がる気がする。
 数値を見ながら、ドクターが懸命に心臓マッサージをしてくれている。
 何度も何度もしてくれている。
 記憶はさだかじゃないのだが、間にエコーも撮った気がする。
 
 何度も、もういいです、ドクター、と言いそうになるのを
 口から出すことができない。
 ドクターが一生懸命になのと、私自身が一縷の望みをかけているから。
 どんな小さい望みでも。
 これで持ち直したって、脳に障害が出る。
 まず間違いなく歩けなくなるだろう。それでも!と。

 このときのことを翌日、自分への覚書としてツイッターにあげている。
  
 ○自分へのおぼえがき ああそうか。もういい、っておもったのは、実は私じゃないのかもしれない。ごめん。

 ○ドクターが懸命に心臓マッサージをしてくれていた。波形はほとんど波打たなかったから、ドクターにもういいですよ、と言おうかと思ったんだ。呼吸器咥えた小さい口が可哀想で。

 ○あの人工呼吸器?の機械が母の時とたぶん同じで、上がり下がりしながらアラームが鳴り、そしてゼロになる。人間も猫も同じ。

 


 数値が下がったままほとんど変わらなくなった。
 つとドクターが
 「呼吸器をはずしますね。」
 静かにそういった。
 口から呼吸器がはずされると、無理やりあけていた口は、すでに硬くなって閉じにくくなっていた。
 ドクターが丁寧に口を閉じさせようとしてくれていた。
 
 こうした合間に、もこなのときも散々お世話になっていた看護師さんが出勤してきてて、
 処置室の様子に唖然としていた(ように見えた)。
 やはりみんなの思っていた以上に急変だったのかもしれない。
 看護師さんと、ドクターで、横になっていた反対側にたれたヨダレとか汚れを拭いて清めてくれ、
 口の中とお尻に脱脂綿を詰めてくれた。
 それを見ながら、私はまだぴあのの顔を撫でていて、ああ、もこなのときは脱脂綿をつめてなんてあげてないなあ、家で亡くなったからなあ、とか埒もないことを考えていた。
 
 ドクターがぴあのをキャリーじゃなくて、箱に入れて行きますか(帰りますか)?と。
 白いダンボールがあるので、それを出してくれるというのでお願いした。
 小さいキャリーの中でせせこましいのはかわいそうに思えた。
 病院のバスタオルを引いてくれていた箱の中に抱いておろした。
 少しづつ硬くなってきているのがわかって、それがせつなかった。
 病院を辞し、箱をゆらさないようにして家に帰った。
 
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by 911pianorama | 2011-08-20 01:20 | 病気
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